弘文堂編集部です。
2014年~2015年に連載しました当連載につきまして、このたび、書籍化が決定いたしました。
詳細はこちら(弘文堂ホームページ)
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「人が本の場所に来ない時代」に「人がいる場所へ本を持っていく」仕事を積み重ねてきたブックディレクターが18年の試行錯誤のなかで気づいたこと。それは、
何を選ぶのかも重要だけれども、
選んだ「それ」をどう差し出すのか? が、
より大切な時代になってきている。
また、同じ「もの」や「こと」でも
差し出し方によって
相手への伝わり方が異なる、ということです。
書籍化にあたり、当連載でおこなった対談を大幅加筆のうえ収録し、またワインバー「HIBANA」店主(サービスマン/ソムリエ)永島 農さんとの対談も新たに加えました。
さらに、これまでに著者が手掛けてきた仕事を振り返りながら、様々な場所での多様な本の差し出し方も紹介しています。
書店員・出版関係者・図書館司書をはじめとした本に携わる方、そして商品・芸術作品など自分の愛してやまないものを「どう届けるか」に悩む方にも、ぜひ本書をお手に取っていただき、ヒントが見つかればと願っています。
2023年1月23日発売予定です。全国の書店、および各種インターネット書店においても予約受付中です。ぜひともチェックいただければ幸いです。
【目次】第Ⅰ部 様々な「差し出し手」に会いに行く
◎1時間目 博物館での差し出し方
(東京国立博物館学芸企画部 上席研究員 木下史青さんの場合)
光の差し出し方/状況との出会い方/無意識に訴え【対話の後で】
「空間」と「情報」の整理からものの伝達は始まる/
「自由に見てね」の裏側にあるもの/
見る人の時間をいただく/遭遇ストーリー/気配をデザインする/
撮影したくなる風景はSNSのためだけではなく
◎2時間目 動物園での差し出し方
(日本パンダ保護協会 会長 土居利光さんの場合)
動物園の見方/人が動物を見ている時間は〇分?/
ベストセラーとパンダ/大人のための動物【対話の後で】
「差し出し手」、「受け手」、「もの」/「自然に伝わる」という理想形/
体が心地よいと余白も生まれる/幻想の箱
◎3時間目 デジタル・コミュニケーションにおける情報の差し出し方
(アブストラクトエンジン 代表取締役 齋藤精一さんの場合)
Webの世界の差し出し方/
ポストコロナ社会に求められるキュレーションの力/
デジタルとフィジカルの融合/デジタルと紙媒体【対話の後で】
インターネットにおける3つの時間軸/
ネットワーク社会でバランスを保つために/情報の使い分け/
どちらが主体者か?/インターネットと時間の奪い合い/
共働する世界へ/人は何を価値と考えるようになるのか
◎4時間目 ワインバーでの差し出し方について聞いてみました
(「HIBANA」サービスマン 永島 農さんの場合)
「差し出し」はサービスである/「いってらっしゃい」と差し出す/
場の結び目/「コスパのいいワイン」って【対話の後で】
ワインの起源/ソムリエの誕生/産業化したワイン製造/
人間がコントロールしないワイン/居心地をつくる仕事
第Ⅱ部 BACHの仕事から見る差し出し方の多様◎昼休み ブックディレクションとは何ですか?
◎5時間目 温泉町での本の差し出し方
(NPO法人 本と温泉)
「文学のまち」城崎の再生と『城崎裁判』/地産地消の本づくり/
本とまちづくり【対話の後で】
SNS全盛時代の観光とは/文学をコンテンツで終わらせないために/
まちでつくって、まちで売る/差し出す場所の身だしなみ
◎6時間目 病院における本の差し出し方
(さやのもとクリニック)
病院と本棚/ヴィジュアルブックの活かし方/育てる本【対話の後で】
本を読むのもいいし、読まないのもいい/本を滑り込ませる/
病院という現場における本の可能性/セレンディピティについて/
予感・徴候・余韻・索引
◎7時間目 子どもたちへの差し出し方
(丘の上保育園)
子どものための大人の本/本につながる/子どもと本【対話の後で】
絵本から児童文学へ辿り着かない/頭のなかで像を描く/読書の測り方
(弘文堂編集部)